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「少しくらい歯並びが悪くても、ほとんど生活に支障はないから大丈夫」。犬の歯に関しては、そんな風に思われることが多いようです。しかし、それは大きな間違いです。本数や歯並びの異常は将来的に高い確率で歯周病を引き起こしますので、こうした異常はできるだけ早期に気づいて対処することが大切です。歯の本数や歯並びについて正常な状態をしっかりわかっておきましょう。

まずは犬の歯の本数と種類から見ていきましょう。 犬の歯(永久歯)は全部で42本あり、(1)後臼歯(こうきゅうし)、(2)前臼歯(ぜんきゅうし)、(3)犬歯(けんし)、(4)切歯(せっし)の4種類に分けられます。下の図は犬の顔を片側から見たもの。反対側も対称に同じ順番で生えています。42本より多いと「過剰歯(かじょうし)」、少ないと「欠歯(けっし)」と呼ばれ、どちらも問題になることがあります。歯の本数の異常は、小型犬や短頭種ではよく見られます。生まれつきの場合もありますが、生後7か月を過ぎても乳歯が抜けずに残る「乳歯遺残(にゅうしいざん)」の場合もよくあります。また、欠歯と思っても歯があごの骨や歯肉の中に埋まっている場合があり、これを埋伏歯(まいふくし)と言います。
(1)後臼歯(2)前臼歯(3)犬歯(4)切歯
犬の顔を片側から見た図。反対側にも対象に歯が生えている。青く色の付いた部分が「機能歯(上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯)」

右は犬が口を閉じた時の図です。ご覧のように実は犬の歯のほとんどは咬み合いません。唯一、上下の歯が咬み合うのが上顎の第4前臼歯と下顎の第1後臼歯です。上顎の第4前臼歯は薄くとがった形をしており、下顎の第1後臼歯とハサミ状に重なりあって、モノを鋭く切り裂きます。これらは「機能歯(きのうし)(あるいは裂肉歯(れつにくし))」と呼ばれ、犬の歯では最も大切な部分と言われます。折れやすく、歯垢がたまりやすい部分でもあるので注意が必要です。

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フジタ動物病院院長。獣医師・獣医学博士。1985年、日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)大学院獣医学研究科修士課程修了。動物病院勤務を経て、1988年、埼玉県上尾市で開院。2000年、日本大学大学院獣医学研究科にて獣医学博士号を取得。日本小動物歯科研究会理事をはじめ、多くの学会、研究会の委員や評議員として活躍。





